マーケターのように生きろー「あなたが必要だ」と言われ続ける人の思考と行動を読んだ感想・レビュー

本の紹介

本書『マーケターのように生きろ』は、「やりたいことが明確ではない」「突出した才能があるわけではない」という多くの人が抱える悩みに対して、“マーケター思考”を人生・キャリアの武器に変えるための指南書です。著者・井上大輔氏は、広告プランナーからグローバルブランド・大手企業のマーケティング責任者を経て、マーケティングの知見を「自分自身の価値を高める生き方」にまで昇華させた実践者です。

本書の中核をなすのは、次の４ステップに整理された思考と行動の枠組みです：
①「市場を定義する」－自分がもっとも輝ける場所を見つける。
②「価値を定義する」－相手（市場）が本当に欲しているものを明らかにする。
③「価値をつくりだす」－自分がやるべきことを具体化し実行する。
④「価値を伝える」－自分を必要とする人に見つけてもらい、交換が成立するよう動く。

特筆すべきは、本書が“マーケティング＝手法”ではなく「マーケターとしての視点＝生き方・働き方」であると捉えている点。市場・価値・提供・伝達というマーケティングのプロセスを、自らのキャリア・人生・人間関係に応用する提案がされています。

たとえば「価値を提供する相手の視点から動く」ことで、自分の活動が役立ち、結果として“必要とされる人”になるという思考です。これは、ユーザー視点・顧客視点がウェブ集客やコンテンツ設計で重視されるあなたの領域とも親和性が高いでしょう。

キャリアの方向性に迷っている個人事業主、情報発信をはじめたばかりの方、集客・ブランディングを強化したいWeb担当者などにとって、本書は“自分自身を価値ある存在にする”ための実践的なロードマップとなります。「自分には何もない」と感じている人にこそ、有効な視点変換をもたらす一冊です。

目次

• ＰＡＲＴ１　人の役に立ち、自らの価値を高める「マーケターのように生きる」という思想
  ＣＨＡＰＴＥＲ１　マーケティングとは「思想」である
  マーケティングとは「価値の交換」をデザインすること
  マーケティングはあらゆる人の役に立つ「思想」である
• ＣＨＡＰＴＥＲ２　マーケティングとは「人類の英知の結晶」である
  マーケティングとは「人類の英知の結晶」
  マーケティングに関する３つの誤解
  もっとも重要な「３つの英知」
• ＰＡＲＴ２　仕事もキャリアも人生も好転する「マーケターのような生き方」４ステップ
  ＳＴＥＰ１　市場を定義する：「自分がもっとも輝く場所」が見つかる
  なぜ「市場を定義する」のか？
  「市場を定義する」マーケターの思考と技術
  「市場を定義する」を仕事、キャリア、人生に生かす