DIE WITH ZEROを読んだ感想・レビュー

DIE WITH ZEROを読んだ感想・レビュー 本の感想・レビュー

本の紹介

「人生とは、ただお金を貯めることではない。お金は人生の“エネルギー”であり、最終的には使い切るべきだ」――そんな挑発的なメッセージから始まる本書は、私たちが陥りがちな「貯蓄万能主義」「退職後に人生を楽しもう」という常識に疑問を投げかけます。著者ビル・パーキンスは、自らのトレーディングや起業経験を背景に、「お金=人生の時間を買う手段であり、未使用のまま残っているなら、それは人生の時間を無駄にした証拠である」と説きます。

本書が提示する中心論点は、「体力・時間・お金という“人生の資源”を、最も豊かに使える時期に使おう」という考え。若いうちこそリスクを取り、思い切った行動を起こせる時期であるため、自分の“ピーク・ワース(資産が最大&体力・時間が活きる時期)”を見据えて、経験を重ねるべきと説いています。

また、「記憶の配当(memory dividend)」という概念を用い、経験は消費ではなく人生の資産となり、時間が経つほどその価値が増すと語られています。

さらに、本書は「子どもや慈善への援助は、相続として“死んだ後”に与えるよりも、生きている間に、相手が最もインパクトを受けるタイミングで与えるべきだ」という視点も提供。その通りにすれば、息子娘が若く活きているときに支援を受けることで、より大きな効果を得る可能性があると説きます。

このように、本書は単なる資産管理・老後設計本ではなく、「人生を豊かに、生きるための時間を最大化するための指南書」として、広く響く一冊です。特に、貯めることや待つことばかりに囚われ、気づけば「使える時間」を逃してしまっていると感じる方には、見直すきっかけとなるでしょう。

目次

  • ルール1 「今しかできないこと」に投資する
  • ルール2 一刻も早く経験に金を使う
  • ルール3 ゼロで死ぬ
  • ルール4 人生最後の日を意識する
  • ルール5 子どもには死ぬ「前」に与える
  • ルール6 年齢にあわせて「金、健康、時間」を最適化する
  • ルール7 やりたいことの「賞味期限」を意識する
  • ルール8 45~60歳に資産を取り崩し始める
  • ルール9 大胆にリスクを取る

DIE WITH ZEROを読んだ感想・レビュー

思い出の大切さが把握できる

お金を貯め込むことよりも、人生の「経験値」を最大化することが本当の豊かさだと教えてくれる本だった。若い時にしかできない経験に投資する重要性や、使うべきタイミングでしっかりお金を使う考え方が新鮮で、「時間×お金×体力」のバランスを見直すきっかけになる。

将来の不安ばかり見て節約するのではなく、今をどう充実させるかを考える視点が得られる一冊だった。豊かさの尺度をどこに持っていくか、意識するべきだとわかりましたね