本の紹介
本書は、マーケティングや商品開発、広告企画の現場において「本当に響くアイデア」を生み出すための鍵として、著者たちが定義する「インサイト=人を動かす無自覚な欲求」に光を当てています。
消費者自身も明確には意識していない「なんとなく求められているもの」「言葉にできていない渇望」こそが、真正の“欲しい”の本質であり、そこに企画・コミュニケーションの突破口があると説きます。
全8章構成で、まず「人の“欲しい”は隠れている」という第1章から始まり、以降「ユーザー・競合ではなく『人間』を見に行く」「インサイトを構造的に捉える」「インサイト起点の業務プロセス設計」「リサーチ手法」「アイデア開発・検証」「AI活用」「インサイトを活かせる組織づくり」へと展開します。特に改訂新版では、AI分析手法の追加や組織・人財育成の観点が大きくアップデートされています。
単なる “売れる仕組み” のノウハウを詰め込むのではなく、「なぜそれが“売りたくなる”のか」「どこに人は気づかずに心を動かされるのか」を理論と事例、豊富なフレームワークを用いて掘り下げており、商品企画・リブランディング・Web集客・クリエイティブ制作など、ビジネスのあらゆる場面で活用できる実践書です。
まさに、ユーザー理解とアイデア創出を内製化したい組織・担当者にとって強力な一冊と言えるでしょう。
目次
- 第1章 人の“欲しい”は隠れている
- 第2章 “人を動かす隠れた心理=インサイト”の構造を理解する
- 第3章 ユーザーや競合ではなく“人間を見に行く”
- 第4章 成熟市場におけるビジネス機会の見つけ方
- 第5章 インサイトを発掘する方法
- 第6章 既成概念を壊してアイデアを手に入れる
- 第7章 インサイトを活用した業務プロセスの構築
欲しいの本質 インサイトを読んだ感想・レビュー
インサイトを理解するカギは、無意識の行動
インサイトを理解するためには「人間は無意識で動いている」ということを前提として考える必要がある。目に見えるもの、耳に入るものも無意識で選択しているのではないだろうか。
インサイトを理解するカギとしては、無意識の行動を観察し、なぜその行動をとったのかを考えてみる=「メタ認知」がインサイトを見つけるカギになる。
インサイトには深さの段階があり、深いところから
@認識しているが言語化できていない感情(整合性がとれない)
A認めたくない、抑圧された感情
B自分自身が認識していない深い層にあるもの
の順に深くなる。
だから本人はわからない=聞いても答えられない。
なぜ、この行動をしているのか、この感情が生まれるのかを本人は答えられない。
インサイトを構成するのは背景、場面、きっかけ、感情がポイント。
この4つが刺さることでニーズとして顕在化したり、現実と理想のギャップを認識するようになる。


