苦しかったときの話をしようかを読んだ感想・レビュー

苦しかったときの話をしようかを読んだ感想・レビュー 本の感想・レビュー

本の紹介

『苦しかったときの話をしようか』(著:森岡 毅)は、働き方やキャリアに迷う人に向けて著されたメッセージ本です。タイトルにも表れているように、著者が自身の挫折や苦悩を包み隠さず語ることで、「苦しい時期」すら次のステップへと昇華する糧となることを示しています。

本書ではまず、「自分の軸」を持つことの重要性が説かれています。やりたいことがわからない、会社にこのままいていいのか…といった不安は、「軸」が曖昧だから生まれるという視点から出発。続いて、学校では教えてくれない資本主義社会の構造や年収に影響する視点についても触れられ、「人は平等ではない」という前提を受け入れた上で、自分の強みを見つけ磨く必要があると説かれています。

さらに、自分の強みをマーケティングする――つまり、自分の価値を他者や社会に伝わる形で設計することが、キャリアを主体的に生きるための鍵として提示されています。

書の後半では、著者自身が味わった劣等感、孤立、理不尽な経験など「苦しかったとき」のリアルなエピソードが描かれ、そこから立ち上がるための思考・行動パターンが具体的に示されており、読者を「次の一歩」に踏み出させるエネルギーにあふれています。

この一冊は、迷いや不安を抱えた働き手、人生の転機を迎えた若手、あるいはキャリア再構築を目指すすべての人にとって、等身大のヒントと勇気を与えてくれる一冊と言えるでしょう。

目次

  • はじめに 残酷な世界の希望とは何か
  • 第1章 やりたいことがわからなくて悩む君へ
    君の宝物はなんだろう
    会社と結婚するな、職能と結婚せよ 
  • 第2章 学校では教えてくれない世界の秘密
    そもそも人間は平等ではない
    君の年収を決める法則  
  • 第3章 君の強みをどう知るか?
    まずは目的を決めよう
    ナスビは立派なナスビになろう
  • 第4章 君自身をマーケティングせよ!
    面接で緊張しなくなる魔法
    My Brand設計の4つの要点
  • 第5章 苦しかったときの話をしようか
    劣等感に襲われるとき
    無価値だと追いつめられるとき
  • 第6章 自分の「弱さ」とどう向き合うのか
    「不安」と向き合うには
    未来の君へ
  • おわりに あなたはもっと高く飛べる

苦しかったときの話をしようかを読んだ感想・レビュー

はたらくすべての人の必読書

この本は大学生の就職活動中にキャリア形成について友達に相談した際に勧められて読みました。著者が娘に語るように綴られている文章なので、大学生でも読み易い文章でした。特に印象に残った点は”自分の市場価値を知り、磨く”という点です。

市場価値というワードは”もの”と結びつけるという固定概念がありましたが、”自分自身の市場価値”を考えるという発想に衝撃を受けました。

自分を客観的に分析することの大切さを知ることができたとともに、それを踏まえてどのように頑張っていけばいいのかを考えることの必要性を学生のうちに知れて良かったです。社会人の転職活動でも大いに役立つ本だと思います。はたらくすべての人にとって必読書の一つだと思います。