本の紹介
本書『マーケティングを学んだけれど、どう使えばいいかわからない人へ』は、マーケティング理論を学んだものの、「実務でどう活かすのか」「何から手をつければいいのか」が曖昧なままの人に向けて、知識を“使える形”に変換する方法を示した実践ガイドです。
著者・西口一希氏は、サントリー・ロート製薬をはじめ数々の大企業でブランド戦略を成功に導いたトップマーケターであり、その経験に基づく「現場で成果を出すための思考法」が惜しみなく書かれています。
本書の中心となるのは、西口氏が独自に体系化した「N-1分析」や「推進マップ」といったフレームワークです。顧客を深く理解し、商品・サービスの“勝てるポイント”を見極め、戦略を施策へ落とし込むプロセスが具体的に説明されており、理論と実践のギャップに悩む人が最短距離で成果を出せるよう工夫されています。
また、ケーススタディが非常に豊富で、実際のブランドがどのように成長したのか、どのポイントに着目すれば成功につながるのかが具体的に学べます。抽象的なマーケティング論ではなく、「こう考えて、こう動く」という現場のリアリティを重視した内容が特徴です。
マーケティング初心者はもちろん、知識はあるのにうまく成果につながらない中級者、事業責任者、商品企画担当者にも役立つ一冊です。学んだ知識を“武器として使える力”に変えたい人にこそ、強くおすすめします。
目次
- 第1章 なぜ、多くの人が「マーケティングの樹海」に迷い込んでしまうのか?―マーケティングをめぐる、さまざまな誤解
- 第2章 マーケティングとは「価値づくり」―マーケティングを理解するためのもっとも大切な「価値」の話
- 第3章 価値は「お客さま」と向き合うことでわかる―価値をどう知り、どうつくるか
- 第4章 0から1、1から10、10から1000へ―継続的なグロースの実現
- 第5章 マーケティングとブランディング―一過性と継続性と離反、そしてブランディングへ
- 第6章 マーケティングで継続的に「価値」を高め続ける―企業も人も、価値を生みだすことで成長し続ける
マーケティングを学んだけれど、どう使えばいいかわからない人へを読んだ感想・レビュー
手法に溺れる前に読むべき思考の指針
4PやSTPを学んでも、いざ実務になると結局何から?と迷子になる。そんな私のための本でした。本書は流行りの手法(HOW)に飛びつく前に、まず誰に(WHO)、何を(WHAT)届けるのかというマーケティングの最も重要な原点に立ち返らせてくれます。
架空のペルソナではなく実在するたった一人の顧客を深く知ることから始めるべき、という教えには衝撃を受けました。情報の洪水の中で思考が散らかっていた私にブレない軸を与えてくれた一冊です。知識と実践の壁に悩む全ての人におすすめします。
マーケティングの根本
マーケティングといった言葉自体は近年頻繁に聞くようになりましたが、実際マーケティングといった意味をハッキリ理解していない状況でも、その事から具体的に解説をされており、読んでいるだけで常にイメージが湧く感覚になりました。
初心者向けと言えばそうですが、それでも大事な根本的な部分を様々に書かれているので、初心者でなくとも改める事が出来ましたし、実例を非常に多く題材にして解説されていたので、活かし方もスムーズに把握できとても為になりました。


