マーケット感覚を身につけようを読んだ感想・レビュー

マーケット感覚を身につけようを読んだ感想・レビュー 本の感想・レビュー

本の紹介

本書『マーケット感覚を身につけよう』は、「これから何が売れるのか」「なぜある商品だけがヒットするのか」といった“市場を読む力”を誰でも身につけられるように解説した実践的な思考法の本です。著者・ちきりん氏は、社会の構造変化を鋭く読み解く分析力で知られ、本書でも、直感に頼らず市場を観察するための具体的な視点を提示しています。

本書で紹介される「マーケット感覚」とは、数字や専門知識ではなく、“価値の流れを見る力”のこと。世の中の人々が何に価値を感じ、どこに不満を抱え、どんなものにお金を払うのかを読み解くための基礎的な感覚です。例えば、価格競争に陥る理由や新しい市場が生まれる瞬間などを、身近な事例を用いながらわかりやすく説明しています。

さらに、「市場が見えるようになる5つの方法」として、①価値の交換を意識する、②市場の境界を見直す、③人の無意識の行動に注目する、④需給バランスの変化に敏感になる、⑤自分の強みを“価値”として捉え直す、などが紹介され、すぐに日常やビジネスで実践できる内容となっています。

マーケティング担当者だけでなく、フリーランス、起業家、個人ブロガー、クリエイターなど、「売れる理由を理解したい」「市場の変化を読む力を鍛えたい」という人にとって非常に有益な一冊です。ビジネスの捉え方が変わり、自分の価値をどの市場に置くべきかを考えるきっかけを与えてくれます。

目次

  • 序 もうひとつの能力(ANAの競合を論理的に分析する;顧客の利用場面を想像する ほか)
  • 1 市場と価値とマーケット感覚(市場を理解するための要素;価値とは何か? ほか)
  • 2 市場化する社会(相対取引だった昔の就職活動;相対取引から市場取引へ ほか)
  • 3 マーケット感覚で変わる世の中の見え方(これからは英語の時代ってホント?;市場の「入れ子構造」を理解しよう;NPOに負けているビジネス部門 ほか)
  • 4 すべては「価値」から始まる(マーケティングとマーケット感覚;「価値」を見極める;非伝統的な価値の出現 ほか)
  • 5 マーケット感覚を鍛える5つの方法(プライシング能力を身につける;インセンティブシステムを理解する ほか)
  • 終 変わらなければ替えられる(「変」or「替」;市場が規制を変える ほか)

マーケット感覚を身につけようを読んだ感想・レビュー

マーケット感覚を持てれば人生が変わる

この本ではスキルや資格よりも「自分のセンサーを磨くこと」が人生を切り開く鍵だと教えてくれる本です。人が何を欲しがるのかという本質を、論理ではなく感覚でとらえる重要性を語ります。変化の激しい時代において、正解を探すよりも自分の感覚を信じて一歩踏み出すことが大切だと気づかせてくれます。

市場を「他人の価値観の集まり」として理解し、自分には何ができるのかということについて見直すきっかけになる一冊となっており、この本を読むと日常をより楽しめると感じます。