キャズム 新商品をブレイクさせる「超」マーケティング理論(原タイトル:Crossing the Chasm)を読んだ感想・レビュー

キャズム 新商品をブレイクさせる「超」マーケティング理論(原タイトル:Crossing the Chasm)を読んだ感想・レビュー 本の感想・レビュー

本の紹介

本書『キャズム Ver.2 増補改訂版』は、ハイテク商品が市場に浸透する過程で直面する最大の壁「キャズム(深い溝)」を乗り越えるための戦略を体系化した、マーケティング理論の定番書です。著者ジェフリー・ムーアが提唱したこの概念は、スタートアップや新規事業の成功を左右する重要フレームとして世界中で支持されてきました。

本書はその最新版であり、現代の市場環境に合わせて再構築された実践的な内容となっています。

テクノロジー製品は、最初に熱狂的な「イノベーター」「アーリーアダプター」が受け入れても、そのままでは一般消費者(アーリーマジョリティ)に広がらない。ここに存在する巨大な断絶こそが“キャズム”です。本書では、この溝をどう埋めるかを、事例・戦略・市場分析の手順を交えて詳細に解説しています。

特に、「ボウリングピン戦略」「ホールプロダクト戦略」「ポジショニングの徹底」などは、スタートアップが限られた資源で突破口を作るための強力な武器となります。単なる理論書ではなく、企業がどの顧客層に、どの価値を、どう届ければ市場が一気に開けるのかを、実務レベルで理解できる構成が魅力です。

IT・プロダクト開発・新規事業・SaaS・D2Cなど、あらゆる分野で応用可能な普遍的フレームワークであり、新しい商品を世に広げたいすべてのビジネスパーソンにとって必読の一冊です。

目次

  • 第1章 ハイテク・マーケティングー錯覚
  • 第2章 ハイテク・マーケティングー悟り
  • 第3章 Dデー
  • 第4章 攻略地点の決定
  • 第5章 部隊の集結
  • 第6章 戦線の見定め
  • 第7章 作戦の実行

キャズム 新商品をブレイクさせる「超」マーケティング理論(原タイトル:Crossing the Chasm)を読んだ感想・レビュー

事業拡大へ壁を乗り越えさせてくれた一冊

フリーランスの語学講師をしています。この本で最も印象に残ったのは、「イノベーション採用曲線」と呼ばれる考え方です。どんな新しいサービスにも「初期の熱心な顧客(イノベーターやアーリーアダプター)」がいて、そこから「一般層(アーリーマジョリティ)」へ広げるには深い“谷(chasm)”が存在するというものです。

その「谷」は努力不足ではなく“構造的に存在する壁”であり、大多数の人は「新しさ」よりも「安心感」や「実績」を重視するので「自分のサービスをどうやって“安全に見せるか”」が鍵になると気づき、「一度に広げようとせず、まず一つのニッチ市場で圧倒的に信頼を得る」という戦略を取りました。

私の場合、「ビジネス日本語を必要とする社会人」などより明確なターゲットを設定して、その人たちに本当に合う教材・レッスン体験を提供するようにしました。すると、紹介が自然と増え、信頼の輪が広がり始めました。