USJを劇的に変えた、たった1つの考え方を読んだ感想・レビュー

USJを劇的に変えた、たった1つの考え方を読んだ感想・レビュー 本の感想・レビュー

本の紹介

本書は、業績不振に陥っていたUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)をV字回復へと導いた森岡毅氏が、その中心にあった“たった1つの考え方”をわかりやすく解説したマーケティング入門書です。森岡氏がUSJで実際に行った戦略の裏側を、専門用語に頼らず、誰にでも理解できる言葉で丁寧に語っています。

USJが復活できた理由は、派手な施策の積み重ねではなく、「お客様が本当に求めている価値は何か」を徹底的に突き詰めたこと。本書では、その“価値の本質”を見極める力を軸に、マーケティングの基本構造、意思決定のプロセス、アイデアの生み出し方、戦略と戦術の違いなど、ビジネス全般に応用できる思考法が紹介されています。

特に、USJの象徴となったハロウィンイベントやアトラクションの成功事例は、単なる裏話にとどまらず、「なぜその施策が成功したのか」を論理的に解剖しており、マーケティング初心者にも実践的な学びを得られる内容になっています。また、著者が試行錯誤を重ねたエピソードや、組織を動かす難しさも描かれており、読者は現場のリアリティを感じながら理解を深められます。

ビジネスパーソン、マーケター、起業家はもちろん、「商品やサービスが選ばれる理由」を知りたいすべての人におすすめの一冊。マーケティングの本質を“シンプルかつ強力”に伝えてくれる良書です。

目次

  • プロローグ USJがTDLを超えた日
  • 1章 USJの成功の秘密はマーケティングにあり
  • 第2章 日本のほとんどの企業はマーケティングができていない
  • 第3章 マーケティングの本質とは何か?
  • 第4章 「戦略」を学ぼう
  • 第5章 マーケティング・フレームワークを学ぼう
  • 第6章 マーケティングが日本を救う!
  • 第7章 私はどうやってマーケターになったのか?
  • 第8章 マーケターに向いている人、いない人
  • 第9章 キャリアはどうやって作るのか?
  • エピローグ 未来のマーケターの皆さんへ

USJを劇的に変えた、たった1つの考え方を読んだ感想・レビュー

V字回復を導いた思考法

この本は、テーマパーク「USJ」の再建を通じて、マーケティングの本質を教えてくれる一冊です。著者・森岡毅氏が語る「顧客視点」の重要性は、どんな業種にも応用できる力強いメッセージ。数字や理論だけでなく、実際の現場での試行錯誤が描かれていて、読みながら勇気をもらえました。

特に「人は感情で動く」という視点が印象的で、商品やサービスの魅力をどう伝えるかを深く考えさせられます。マーケティングに悩む人だけでなく、組織改革やブランディングに関心がある人にもおすすめです。物語のように読めるので、ビジネス書が苦手な方にもぴったりです。

顧客視点が利益を生む

「売上が伸びないのは、顧客の期待を裏切っているから」──この一文にハッとさせられた。USJのV字回復の裏にある“顧客視点”の徹底が、マーケティングの本質を教えてくれる。

施策の裏付けや数字も具体的で、再現性のある内容が多く、読みながら自社のサービスに置き換えて考えられる構成も秀逸。エンタメ業界に限らず、あらゆる業種に応用できる視点が詰まっていて、何度も読み返したくなる一冊。実務に直結するヒントが満載で、読むたびに新たな気づきがある。

数字が苦手でも読めるマーケティング教科書

正直、最初は「USJの本かー、テーマパークの話でしょ?」って軽く見てたんですが、読み始めたら一気に引き込まれました。著者の森岡さんがユニバーサル・スタジオ・ジャパンをV字回復させた実話がベースなんですが、めちゃくちゃロジカルで、しかも感情に訴えかけてきます。

特にすごかったのは「マーケティングとは顧客の心の空白を埋めること」って考え方。ハリーポッターエリアを作った経緯とか、数字の分析から「どんな人がどんな不満を抱えてるか」を徹底的に掘り下げて、そこに刺さる体験を提供する流れが最高に気持ちいい。自分自身がエンジニアだから普段はデータ見ますが、数字を「人の感情」に結びつける視点が新鮮すぎて、読んでる間ずっと「なるほど!」ってなってました。