本の紹介
本書『僕らはSNSでモノを買う SNSマーケティングの「新法則」』は、SNSが“販促チャネル”としてではなく、“購買プロセスを変える装置”として機能している現代において、マーケティング担当者・事業者が押さえるべき思考と設計を提示しています。著者・飯高 悠太氏は、SNSを活用したマーケティング支援企業でCMOを務める視点から、実践的な分析とともに普遍的な法則を体系化。
本書の中核にあるのが「ULSSAS」というフレームワーク(UGC → Like → Search1 → Search2 → Action → Spread)で、ユーザー生成コンテンツ(口コミ)から購入・拡散までのプロセスを可視化しています。
さらに、フォロワー数をただ増やすのではなく、「コアファンを育てて拡散してもらう」視点が強調されており、SNS運用を“点”ではなく“線”で捉える設計が求められています。
また、従来のSEOやリスティング広告だけでは見えにくかった「潜在ニーズ」や「共感から購買に至る道筋」にも光を当てており、SNSが“顕在層”だけでなく“潜在層”を動かせる可能性を持つチャネルであることを論証しています。
マーケティング初心者でも理解しやすい言葉で書かれており、図解やマーケティング理論と実践がバランス良く配置されているため、実務に即した知見として役立ちます。
Web集客、コンテンツマーケティング、SNS運用に携わる方々だけでなく、サービス立ち上げ・ブランド構築・顧客育成を考える経営者・担当者にもおすすめできる一冊です。SNSを通じて“モノが売れる仕組み”を構築したいなら、本書はその出発点となるでしょう。
目次
- 第1部 僕たちのメッセージは、どうすれば届く? SNS活用編
1.SNSでモノが売れるの!?
2.企業はSNSでガンガン宣伝すればいい?
3.じゃあ、企業アカウントで、何をすればいいの?
4.UGCはなぜ大事? - 第2部 僕たちのメッセージは、どのように作ればいい? コンテンツマーケティング編
1.UGCが発生しないときこそコンテンツマーケティング
2.どうしてコンテンツマーケティングが注目されているの?
3.まだPVで消耗してるの?
4.誰のどんな悩みを解決するの?ほか
SNS集客の本質は「UGC」にあり
SNSでの集客に悩んでいる人にこそ読んでほしい一冊です。本書の肝は、広告宣伝よりも「UGC(ユーザー生成コンテンツ)」、つまり一般ユーザーによる口コミや投稿がいかに重要かを徹底的に解説している点にあります。
企業が発信する情報ではなく、ユーザーのリアルな声こそが購買を後押しするという事実は、自身の消費行動を振り返っても納得しかありません。どうすればユーザーに自社の製品を「語ってもらえる」のか。そのための具体的な考え方や仕掛けが詰まっており、小手先のテクニックではない本質的なSNS運用を学べました。


